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理念評価制度とは?会社に理念を浸透させる基準と評価

こんにちは、カチコムのガルーラです。
今回の記事では、理念浸透をテーマにお送りいたします。

まず最初に、企業理念、PMVV、コアバリュー、行動指針・・・等々
会社の組織を統制し正しく成長するために多くの企業が設定していますよね。
でももしかして、「つくってお終い。」になっていませんか?

そうならないために、理念浸透に注力する会社は
セミナーに参加したり、朝会での理念唱和等を積極的に行っているのではないでしょうか?

でも正直それって
「やらないよりは良い」と思っているだけで
効果的だとは思ってなくないですか?

この記事では、理念やPMVVを「つくって終わり」にせず、評価を通じて会社の資産へ変えていく理念評価制度についてお話します。

現在の一般的な人事評価の仕組み

まず、一般的な会社の人事評価というものは大きく分けて3タイプの4品目あります。

【評価制度】
①自己評価 >自分自身で会社での行動を振返り、自己採点でもって評価をつけること。
②上長評価 >上長が自分の会社での行動を評価し、上長の判断により評価をつけること。
③業績評価 >行動の評価ではなく、自身の業績(数字)をもとに相対的に評価をつけること。

【評価項目】
A、態度評価  >業績や能力以外の、仕事に対する姿勢(規律性、責任性、協調性、積極性、安全意識等)が評価の対象
B、能力評価 >チームマネジメントや業務効率のように、仕事をする過程で発揮していた能力を評価の対象。
C、成績評価  >営業成績や生産数などの仕事であげた成績(業績)が評価の対象。


結論をお伝えすると、理念を正しく評価する項目はありません。その上で、理念に伴う行動を評価しようとする時、態度評価として感覚的に評価をしているというのが実態になっています。

理念評価(バリュー評価)とは

理念評価(バリュー評価)とは、業績や能力ではなく、会社が掲げる理念や価値観に対する行動指針をどれだけ体現できているかを基準にして従業員を評価する評価制度です。まだ、日本では導入している企業は少ないみたいです。
先の態度評価との違いは、理念評価は理念に沿った行動にのみを切り取り評価することを目的として設定するため従業員がより理念に対する意識が向きやすくなります。

理念評価制度を導入するメリット

理念評価制度を導入するメリットは、理念と日々の仕事のつながりが明確になることです。

「私たちはお客様を大切にします」
「失敗を恐れず挑戦します」
「仲間への感謝を忘れません」

こうした言葉を掲げている会社は多いと思います。でも、その言葉だけでは「具体的に何をすればよいのか?」まで、従業員全員が同じように理解できているとは限りません。理念評価制度では、理念を仕事の中で確認できる行動に置き換えます。ここに、導入する意味があります。

① 理念を実践するための基準ができる
例えば、「お客様を大切にする」という理念。
ある従業員は、丁寧な言葉遣いをすることだと考えるかもしれません。
別の従業員は、お客様の要望にすべて応えることだと考えるかもしれません。
どちらも本人なりに理念を実践しているつもりですが、判断は異なりますよね。
そこで、例えば以下のように行動を具体化してみます。

  • 提案の前に、お客様が困っていることや目的を確認する。
  • 要望どおりの対応が難しいときも、理由と代替案を伝える。
  • 対応して終わりにせず、その後の状況を確認する。

ここまで具体的になれば、従業員は自分の仕事の中で何を意識すればよいか、理解しやすくなります。

理念を知っている状態から、理念を使って行動できる状態へ。

その橋渡しをするのが、理念評価制度です。

② 数字に表れにくい貢献を評価できる

営業成績や生産数は、成果を確認するための大切な指標です。
一方で、社内には数字だけでは見えにくい貢献もあります。

例えば、自分の持つノウハウを共有して仲間を支えたり、問題が大きくなる前にリスクを報告したり
シフト制の会社の場合、欠員の代わりにシフトに入ったりしたり。それらが会社の理念や行動指針に沿っているのであれば、理念評価の対象として扱えます。

「あの人は何となく頑張っている」から一歩進んで、
「この行動が、会社の大切にする価値につながっている」と説明できるようになるわけです。

③ 育成や面談で、伝える内容が具体的になる

「もっと主体性を持ってほしい」
「もう少し、うちらしい仕事をしてほしい」

こう言われても、何を変えればよいのか迷ってしまいますよね。
理念に沿った行動が明確であれば、面談でも具体的な話ができます。

「今回、問題を早めに共有した行動は、私たちが大切にしている誠実さにつながっていた」
「次は報告に加えて、自分なりの対応案も出してみよう」

このように、できていた行動と次に取り組む行動を結びつけられます。
理念評価を、点数をつけるだけで終わらせず、人を育てる機会として使うことが大切です。

理念評価制度のデメリットと注意点

もちろん、理念評価制度を導入すれば、自然に理念が浸透するわけではありません。
設計や運用によっては、不公平感や負担を増やしてしまうこともあります。

① 基準が曖昧だと、評価者の好みが入りやすい
最も注意したいのは、「理念に合っている」という言葉で、評価者の個人的な好みを正当化してしまうことです。
例えば、積極的に発言する人だけを「挑戦している」と評価すると、目立たないところで新しい方法を試している人の行動を見落とすかもしれません。理念評価で確認したいのは、性格や印象ではなく、実際の仕事での行動です。

「いつ、どのような場面で、何をしたのか。」

その事実をもとに判断し、評価者同士でも基準をすり合わせる必要があります。また、従業員が評価の理由を確認し、自分の認識を伝えられる機会も設けましょう。

② 記録や面談など、運用の負担が増える
理念に沿った行動は、売上のように自動で一覧になるとは限りません。
本人が行動を振り返り、上長が事実を確認し、面談で話し合う。そのための時間が必要です。
最初から評価項目を増やしすぎると、記入することが目的になってしまうおそれがあります。
まずは、会社として特に大切にしたい行動に絞って始めることをおすすめします。日々の面談や業務の振り返りに組み込むなど、続けられる運用にすることが大切です。

③ 高評価を取るための行動だけが増える可能性がある
評価と結びつけば、従業員は評価される行動を意識します。それ自体は悪いことではありません。ただし、例えば「改善提案の件数」だけで挑戦を評価すると、提案の数を増やすことが目的になってしまうかもしれません。件数は確認材料の一つにしつつ、なぜその行動を取ったのか、どのような工夫や学びがあったのかまで確認する必要があります。特に「挑戦」を大切にする会社では、結果が出なかったという理由だけで低く評価すると、挑戦を避ける行動につながりかねません。理念と評価基準が矛盾していないか、見直すことも必要です。

理念評価制度の導入をおすすめする理由

理念評価制度の導入をおすすめするのは、
会社が大切にしていることを、評価の場でも一貫して伝えられ、形骸化を防ぐ目的になる。

例えば、会社では「チームワークを大切にしよう」と伝えているのに、評価されるのは個人の売上だけ。
これでは、仲間を支えることより、自分の数字を優先したほうがよいと受け取られても不思議ではありません。
理念として伝えていることと、実際に評価していることが揃っているか。ここを整えることが、理念浸透の土台になると考えています。もちろん、業績や能力の評価も必要です。理念評価を加える際は、それぞれの役割や配点を明確にし、同じ行動を重複して評価しないように整理しましょう。

導入は「理念を行動に置き換えること」から
では、何から始めればよいのでしょうか。
おすすめするのは、理念から形成される行動指針やバリューを作っておくことです。
経営者や管理職だけで評価表を完成させる前に、現場の具体的な行動を集めることです。

「この会社らしいと感じた対応は何か?」
「理念を実践できたのは、どのような場面か?」
「判断に迷ったとき、何を大切にしてほしいか?」

こうした問いをもとに、理念と仕事の接点を探します。

例えば、「誠実さ」を評価するなら、次のように整理できます。

整理する内容具体例
大切にする価値観誠実さ
期待する行動ミスや遅延のおそれを把握した時点で、関係者に共有する
確認する事実いつ把握し、誰に、何を伝えたか
評価時の視点必要な相手に適切なタイミングで共有し、その後の対応につなげたか

このように、抽象的な言葉を、確認できる行動まで具体化します。
人事評価全般でも、評価項目と基準を事前に明確かつ具体的に示すことが大切だとされています。
職種や役割によって実践できる行動は異なるため、営業職と事務職、新入社員と管理職を、まったく同じ行動例だけで評価しない工夫も必要です。

最初は試行し、対話しながら基準を整える

行動基準をつくったら、まずは一定期間、試行してみましょう。いきなり給与や賞与への反映を大きくするより、本人と上長の振り返りに使い、基準が伝わるか、事実を確認できるかを確かめる進め方をおすすめします。本人と上長で評価が違った場合も、点数を合わせるだけで終わらせず、その理由を話し合います。

上長が知らなかった行動があったのか。
期待する行動の理解が違っていたのか。
そもそも、基準が曖昧だったのか。

この対話を重ねること自体が、理念への理解を深める機会になります。そして、経営者や管理職も、同じ理念に沿って行動することが欠かせません。評価する側の行動が伴ってこそ、制度への信頼につながります。

まとめ

理念は、言葉として掲げるだけでは、日々の仕事に結びつかないことがあります。朝会での唱和や研修も、理念を知るきっかけにはなります。その先に、仕事で実践し、振り返る機会をつくることが大切です。理念評価制度は、そのための仕組みの一つです。

導入する際は、次の点を意識してみてください。

  • 理念を、仕事の中で確認できる具体的な行動に置き換える。
  • 印象や好みではなく、実際の行動をもとに評価する。
  • 評価理由を伝え、次の行動を本人と話し合う。
  • 経営者や管理職も実践し、運用しながら基準を見直す。

理念に沿った行動が生まれ、その事例が社内で共有され、次の人の判断に使われる。この積み重ねによって、理念は会社の中に根づき、会社らしい仕事の進め方として蓄積されていきます。皆さんの会社では、理念に沿った行動を、どのように評価していますか?まずは、最近の仕事の中から「自社の理念を体現していた行動」を一つ、探してみてください。そこから、理念評価制度づくりを始められるはずです。

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